研究業績
離婚・再婚家族と子ども研究 No.4, 18- 31 (2022)
離婚後の母親の面会交流の受けとめとゲートキーピングとの関連ー母親のソーシャルサポートおよび子どもの意思・様子確認の調整効果の検討ー
著者
直原康光・安藤智子
カテゴリ
査読付学術論文
Abstract
本研究の目的は,離婚後の母親の面会交流の受けとめと母親のゲートキーピングとの関連を検討するとともに,「母親のソーシャルサポート」および「母親による子どもの意思・様子確認」の調整効果について検討することであった。離婚して小学校4年生―中学校3年生の子どもと同居する母親を対象とした質問紙調査を行い,167名を分析対象とした。階層的重回帰分析の結果,母親の面会交流の受けとめである「子どもや自身への安全への懸念」は,母親のソーシャルサポートが低い場合にのみ,面会交流の制限につながっていた。また,「再婚にあたっての懸念」は,「母親による子どもの意思・様子確認」が低い場合のみ,面会交流の促進を低下させていたことなどが明らかになった。考察では,「母親のソーシャルサポート」,「母親による子どもの意思・様子確認」の重要性と実践への示唆について検討した。