研究内容

ステップファミリーの困難さや子どもの適応

 日本では,新たな結婚カップルの約26%のどちらかが再婚で(厚生労働省,2017),ステップファミリー(親の再婚あるいは新たなパートナーとの生活を経験した子どものいる家族)も増加していると考えられます。また,児童虐待事件で養父等が加害者となったのは約30%(内閣府,2019)に上ります。

 ステップファミリーは,夫婦と子どもで構成され一見すると初婚継続家族と同じであり,心理学の専門家でも,初婚継続家族と同様の支援が行う例が報告されています(野沢他,2018)。しかし,ステップファミリーに関する国内外の質的研究では,


(a)親の新たなパートナー(継親)は,子どものしつけ役割を担わず,

 仲良くなる戦略を取ることが継親子関係にとって重要であること(Ganong et al., 1999; 野沢・菊地,2014)

(b)同居実親は,継親との関係を優先するのではなく,継親と子どもの関係を仲介する役割を取ることが

 同居実親と子どもの関係でも重要であること(Cartwright et al.,2002;野沢,2015)


が明らかになっており,初婚継続家族とは異なる配慮の必要性が示唆されます。


 そこで,定量的なデータを用いて,以下の2点を明らかにすることを目指します。


①親(同居実親,継親,別居実親)のどのような関わりが子どもの適応を左右するのかについて,

 質的研究で得られている仮説を検証する。

②ステップファミリーの同居実親,継親のステップファミリーに関する信念が,

 婚姻満足度やステップファミリーを巡る困難さとどのように関連するのかを検討する。


 現在,②の調査を進めており,結果は学会等で発表する予定です。